2011年6月21日火曜日

東工大、今日の一枚(70)

大岡山キャンパス、事務局1号館。


学長や理事・副学長といった大学執行部と、管理部門(事務局)の一部が入っている建物です。設計は、東工大を代表する建築家の一人、清家清先生。


事務局1号館の竣工は1967年、今から44年前になります。かつては、「管理棟」と呼ばれていました。


管理棟は、本学創立80周年記念事業の1つとして企画されたものということですが、では、なぜそもそも管理部門の居住建物を新築する必要があったのでしょうか?


かつて、東工大は単一学部の単科大学でした。しかし、大学の規模が拡大するにつれ、教授会の規模が大きくなりすぎて討議に困難が出てきたり、実質的な運営を行うための組織が自然発生的に生じ、大学としてのガバナンスが弱くなったりといった問題が生じました。


そこで、昭和30年代の後半から本学を複数学部制にし、管理運営を合理化するための改革が企画されました。当時、「理学部」「工学部」にあわせて、「社会工学部」を設置する案が検討されましたが、文部省がこれに難色を示し、結局、昭和42年(1967年)より、本学は理学部・工学部の複数学部体制になったのでした。


管理棟が出来る前、大学の事務局は本館の中にありました。大学の規模が拡大し、本館が手狭になったために作られたのが管理棟というわけです。「複数学部への拡大」と「管理運営の合理化」により、この時期にその後の東工大の発展の道筋が作られたとも考えられます。その意味で、管理棟、現・事務局1号館は東工大の規模拡大の歴史を象徴する存在かもしれません。


それにしても、複数学部への拡大の際、「社会工学部」が出来ていれば、また東工大の歴史は違ったものになったでしょうね。