2011年2月14日月曜日

学生から学会で賞を取ったと報告がありました!!

件名:多重化映像提示システム scritter 、日本 VR 学会で学術奨励賞 (技術展示部門)受賞

というメールが飛び込んできました。

==以下メール本文==

東工大の学生と神奈川工科大の白井研究室で研究を続けてきた「多重化映像提示システムscritter」が日本VR学会で学術奨励賞(技術展示部門)を受賞いたしました。

これは

>日本バーチャルリアリティ学会では,バーチャルリアリティの学術分野の発展において,将来に亙って貢献が期待できる業績を挙げたものを表彰し,もって,本分野の発展を図ることを目的とし,学術奨励賞を設けております.

というものですが、年間表彰件数が2件以内で、昨年の受賞者を見ましたが素晴らしいものばかりでした。またその多くが博士課程在籍者や社会人で、学部生が中心となって取り組んだ研究としては、とても価値のある賞ではないかと思います。


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scritter という名前は私も忘れませんでした。130協賛事業として支援させていただいた、学生の研究の一つです。初めて話を聞いたとき、とても独創的であったこと、海外でのプレゼンに備え、英語やフランス語の準備をするなど、とてもアクティブだったので良く覚えています。

そんな彼らから継続してこういう報告をもらえるのはとても嬉しいことです!

長野さん、白井先生、そして関係者の皆さん、本当におめでとうございます!

少し長いのですが、長野君から、この研究や賞について解説していただきました。


==以下長野君より==

このプロジェクトは、昨年、東工大世界文明センターで受講した「メディアアート特論(担当:白井先生、中嶋先生)」という講義をきっかけに始まりました。これはメディアアートをプログラミング等の工学的手法を用いて制作し、最終的に制作した作品を発表するという授業です。当初のメンバーは(当時)、長野(2年:社会工学)、宇津木(3年:電気電子)、濱田(M1:総合理工)で、私達は、既存の3D映像技術と高い互換性を持つ「多重化映像システム:Scritter」を提案し、中心的に開発を行いました。このシステムは、長野が映画とその技術に興味を持っていたので、新しく映画を演出する技術を考案できないかと思索していた時に提案したものです。

この研究は授業が終わった後も、神奈川工科大学白井先生(東工大非常勤)の研究室と協力して、継続的に研究・発表を行ってきました。このシステムは、芸術科 学会での優秀賞を初め、日本、フランス、アメリカと国内外の国際会議でデモ展示・発表を行い、専門家、企業、コンテンツ製作者から高い評価を得ています。 また特許も出願し、企業との共同研究の機会も得ています。

この研究は、既存の3D技 術に新たな付加価値を創出し、デジタルコンテンツの新たな表現の可能性を提案するものです。そしてこの度、9月に日本VR学会年次大会で発表した「ステレ オ立体視技術と高い互換性を持つ多重化映像提示システムおよびコンテンツ制作手法の提案(発表者:長野)」が同学会で学術奨励賞(技術展示部門)を受賞することになりました。学会では口頭発表、技術展示を行いました。今回学術奨励賞を受賞した発表は、Scritterシリーズの集大成で、他に関連発表として同じ研究チームから、2件の関連発表(眼鏡なしの視聴者に別の画像を表示する「ScritterH」(発表名:多重化映像表示における隠蔽映 像生成アルゴリズム、発表者:宇津木)や、「ScritterL」(発表名:時間停止機能と映像多重化システムを用いたe-sportsイベントでの高い一体感を演出する バーチャル中継システムの提案、発表者:神奈川工科大 荒原))があったため、そちらも評価されたのではないかと推測します。表彰式は3/30に学会の通常総会の中で行われる予定です。

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<学術術奨励賞概要>

日本バーチャルリアリティ学会では,バーチャルリアリティの学術分野の発展において,将来に亙って貢献が期待できる業績を挙げたものを表彰し,もって,本分野の発展を図ることを目的とし,学術奨励賞を設けております.

授与対象者は以下の方々となります.

年次大会において優れた内容の研究発表(口頭発表,技術展示,および作品展示の3部門)を行った年齢35歳以下(発表時)の,あらかじめ登録した発表者を学術奨励賞の対象者とする.

学術奨励賞を既に受賞している者は,重ねて受賞することはできない.

学術奨励賞は,毎年口頭発表部門5件以内,技術展示部門2件以内,作品展示部門2件以内の範囲内で授与する.


(このうち技術展示部門2件以内、に採択され表彰ということになったそうです)





































==研究の内容==

【題】

「ステレオ立体視技術と高い互換性を持つ多重化映像提示システムおよびコンテンツ制作手法の提案」

A New Multiplex Displaying System and Contents Creation methods Compatible with Current 3D Projection Technology

「展示概要」

近年、デジタル映像時代における3D映像技術の発展はめざましく、映画、TVをはじめとする立体視技術はここ数年できわめて 急速に身近なものとなってきた。しかしながら、この新しく普及するディスプレイ技術の特徴が「飛び出し・奥行き」のみでは、旧来からある立体視と同じ付加 価値しか人々に提供することができないだろう。そこで筆者らは、「ステレオ立体視技術と高い互換性を持つ多重化映像提示システム」および応用例の開発を 行った。多く採用されている立体視技術をベースに、1つのスクリーンに複数の映像を多重化または、隠蔽し、眼鏡の切り替えまたは着脱だけで「ゆるく」コンテンツの選択を行えるシステムを開発した。本システムを用いた映画、ゲーム、美術への応用など多種多様なコンテンツを実現し、「多重化映像コンテンツ」と いう新たなデジタルコンテンツの表現手法 について提案した。

技術展示では、偏光方式の立体視技術により多重化を実現し、多重化隠蔽映像、ゲームイベントへの応用などを、本システムの応用例として展示した。多くの体験者より本システムの実現性、可能性を実証するフィードバックが得られた。
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本当におめでとうございます!!